先日、アリペイ(Alipay=支付宝)の話を聞いた。アリペイとは、中国のネット取引大手、アリババが運営する決済サービスである。買い物などの代金支払いシステムとして、中国で急速に普及し、一般的となった。同時に、裏の顔も凄い。

中国では買い物をすると、もしくはタクシーに乗ると、アリペイおよび同様のシステム(テンセントのシステム、ウェイシン=微信が第2位)を使って支払うのが一般的になっているとか。クレジットカードや電子マネーでの支払いではないらしい。この10年間、上海や北京などに旅行したことがなく、浦島太郎になっているので、伝聞調である。

付け加えると、100元札(1600円程度の値打ちしかない札)で支払おうとしたら、偽札やないかと疑われ、嫌がられるらしい。要するに、偽札が多いとのことである。念のために言っておくと、去年旅行した昆明では現金払いで十分通用した。

使い方は、アリペイのアプリをダウンロードしてお金をチャージしておき、QRコードを入手、買い物をしたときには金額を確認しつつそのQRコードを店のリーダーに読み込ませる。これだけで代金の支払いが終わるとのこと。友達同士の割り勘や、お年玉のやり取りも同じようにQRコードだけで完了するとか。

で、このアリペイなどは、個人の信用情報源にもなっているらしい。要するに、個人の買い物の傾向、支払いを踏み倒さなかったかどうか、挙げ句の果ては罰金の支払い履歴など、これらの情報を集め、分析することで、個人の信用力や行儀の善し悪しまで分かってしまう(正確には、推測がつく)。

政府はこの情報を裏で仕切っている。アリペイはその政府の指導も受けつつ、利用者に芝麻信用(芝麻はゴマと読む)なる点数を与えている。ちなみに、アリババだから(開け)ゴマである。

この点数、馬鹿にしてはいけない。点数が低いと、点数の高い者とは「身分が違う」というか「素行が違う」というので、結婚すらできなくなるらしい。いろんな政府の手続きやローンなどにも影響するとか。おかげで、中国人の行儀が、平均的に良くなるのではとも言われている。ほとんど本気の噂である。

では、日本はどうなのか。「そこまで政府や企業に監視されたくない」というのが正直なところだろう。しかし、政府内でさえ、マイナンバーの情報が流れないから、脱税はもちろん、社会保障のシステムも依然として「手作業のまま」である。いろんな手当の過剰請求も簡単ではと思えてしまう。

このアリペイ、日本にも進出してきている。そのうち、日本国民の素行や信用力に関して、日本政府よりも中国政府の方がよく知っていることになるかもしれない。また、中国に入出国する際に、芝麻信用が低いと何時間も質問されるかもしれない。

ということで、アリペイやウェイシンを注視して置くことが重要である。