小野寺防衛相のこの発言に、北朝鮮の報道官が、「日本列島を瞬時に焦土化できる」と警告する声明で反応してきています。ワシントンポストが、米国の情報機関は、すでに北朝鮮は核弾頭の小型化に成功したと見ていると報じたようですが、それが事実なら、日本はすでに北朝鮮の核攻撃の射程に入っている可能性が高く、荒唐無稽な話ともいえないのです。
北朝鮮が警告「日本列島を焦土化、太平洋に沈没」 小野寺防衛相を名指しで非難
島根、広島、高知を通過させるということなので、迎撃ミサイルPAC3などの配備を変え、いざという場合に備えた動きは当然としても、あえてトランプ対金正恩のチキンレースに加わる必要はありません。北朝鮮の恫喝に対抗手段があれば別ですが。

しかも、実際に迎撃ミサイルを発射できるのかです。

同時に発射された4基を100%撃ち落とせるのなら、撃つなら撃って見ろと威勢よく言ってもいいのでしょうが、迎撃ミサイルを実際に発射することは、その精度や性能が北朝鮮にも、中国にも見せてしまうということです。もし、一基でも撃ち落とせなかったとすれば、迎撃ミサイルは能力がないことになり、素人が考えても抑止力を失います。

つまりPAC3は実際には、日本本土に危険が生じるような、よほどの事態でない限り発射できない、天下の宝刀は抜けないはずです。

また、北朝鮮の今回の恫喝が、その事態かというとかなり疑問です。そもそも、グアム基地そのものではなく、「近辺」と言っているものを、「存立危機事態」とするのは無理があり、それは北朝鮮へのいらぬ挑発でしかなく、防衛相としてのセンスを疑います。

小野寺防衛相はいかにも誠実な方に感じますが、駆け引きの計算ができないとすれば、防衛相は適任とはいえないのではないでしょうか。

もし安倍総理が、小泉元総理がやったように、北朝鮮に乗り込み米朝対話への道を切り開くような鮮やかなハプニングができれば別でしょうが、北朝鮮の核ミサイル開発に対しても、互いに核を持ちながら子供のように応酬し合うチキンレースに対しても、日本が解決に向けてできることは限られているのでなおさらです。