実際、Goertzel氏らは、3年ほど前から社会的・政治的な意思決定を合理的に行えるAI「ロバマ(ROBAMA)」の開発に注力している。ロバマというネーミングは、ロボットと米バラク・オバマ大統領の名前を合わせたもの。裏に「ロボット大統領」という意味が含まれている。

海外メディアの取材に答えたGoertzel氏は、政治に人工知能の介入が必要な理由について、次のように述べた。

「国民を代表して、社会的、政治的な意思決定を下す彼ら(政治家や官僚)は、専門知識が不足していたり、私利私欲に陥って誤った判断を繰り返している。ロバマはSNSやインターネットにアップされた膨大な情報を1分以内に分析し、世論を反映した政策をリアルタイムで提示すことができる。完成すれば、腐敗がない社会・政治的革命を成し遂げられるだろう」
 
なおGoertzel氏は、2025年までに政治的意思決定を完全に下せる「汎用人工知能」としてブラッシュアップさせるべく、ロバマの開発を続けているという。

人間の心理や社会的状況を把握したAIが実際に登場するのか、またそれが政治の舞台に登場するかはまだまだ未知数だ。技術的にも、また人間の感情的にもAIの政治進出にはまだまだ壁があるだろう。ただ、冒頭に登場したような政治に「いちゃもん」をつけるだけのAIよりは、未来における活躍が気になるところだ。

日本のとあるAI研究者のひとりはこんなことを話していた。

「政治判断をAIにまかせるのは、国民の”理”にも”利”にも適っていることだと思いますよ。むしろ、法律や政策など膨大なデータを学習しつつ、合理的かつ公正な判断が必要な政治にこそ、人工知能の強みが発揮できると思います。AI政治家、もしくはAI官僚が登場する日はそう遠くないのでは」

政治にAIが介入する日は訪れるのだろうか?

文=河鐘基