だが、こうした表現を包み隠さず展示している姿勢を実直に受け止め、考えなければいけない。いかに昔のほうが表現が奔放で自由であったかを。

「週刊少年ジャンプ展VOL.1」ではこうした漫画の歴史まで実直に伝えている。テレビにおいても、1990年代までは女性の乳房がゴールデンタイムでも平然と露わとなっていた。それが現代では自主規制が進み、女性だけでなく男性も露出表現が自粛される傾向になっている。

「スカートめくり」から「ラッキースケベ」へ

"エロ"の性質自体も変化しつつある。かつては「スカートめくり」といった能動的な行いだったものが、「ラッキースケベ」という受動的なものに変わりつつある。「ラッキースケベ」とは、例えば部屋のドアを開けたら女性キャラが着替え中であったとか、転んだ拍子に女の子の胸などを触ってしまうという、主人公の不可抗力的な行いを指す。

ここから"お家芸"のごとくエスカレートし、週刊少年ジャンプで2006年から2009年にかけて連載されていた「To LOVEる」(矢吹健太朗=作)では、主人公が転んだ拍子にヒロインのスカートの中にまで頭を突っ込むようになった。「ゆらぎ荘の幽奈さん」でも、主人公が積極的に女性キャラを襲うという様子はなく、あくまで「ラッキースケベ」の体で描かれている。

もちろん、少年誌としてエロ描写は相応しいのかという議論は永遠に尽きないであろう。児童ポルノ法が成立したように、二次元における性的な描写は今後も規制の方向に向かうかもしれない。週刊少年ジャンプにおいて、メインテーマは一般に「友情・努力・勝利」の三本柱だとされる。だが、「エロ」という一つの伝統もあることは忘れてはならないだろう。