「『死の棘』を読んだことがある人は、今回の松居一代さんを見て、ミホのことを思い出したに違いない」

 文春今週号の林真理子連載コラム「夜ふけのなわとび」の一節である。「死の棘」とは島尾敏雄の小説で、妻のミホが夫の日記を見たことから浮気の証拠をつかんで狂乱し、夫を責めたてることから物語は始まる。