このファクスの内容について、政府は「ゼロ回答だ」と主張したが、野党は「満額回答だった」と批判している。実際はどうだったのか。籠池さんに質問すると「野党の言う通りだ」という答えが返ってきた。

問題の国有地は約8億円も値引きされることになったし、土地改良費(1億3000万円)もその後、返還された。籠池さんは、昭恵夫人の尽力によって「順調にことが進んでいった」と話していた。

これが真相だとすれば、安倍首相の「私や妻が関わっていれば、総理大臣も国会議員も辞める」という発言は、どうとらえればいいのか。

安倍内閣の「無責任」に国民は怒っている

共同通信社
さらに、追い打ちをかけたのが、加計学園の問題だ。獣医学部の新設をめぐり、政府は「首相は関与していない」と表明していた。ところが、6月下旬に神戸で行われた講演で、安倍首相は「獣医師会の強い要望で、1校に限定したが、中途半端な妥協で国民の疑念を招いた。今後は地域を限定せず、2校でも3校でも新設を認めていく」と発言した。

これは、安倍首相自身が獣医学部の新設に関わっていることを、自ら認めたといえる。さらに安倍政権への批判が強まることになり、都議選惨敗の一因となった。

なによりも良くないのは、安倍首相が「自分は関係ない」と逃げていることだ。首相がそういう姿勢なので、他の議員も官僚もみな、「関係ない」「記憶にない」と逃げている。この安倍首相を始めとする政府関係者の態度が、国民の目には「無責任」と映っている。その無責任さに、国民は怒っているのだ。

内閣支持率は30%を切ると「危険水域」と言われる。安倍首相は8月に内閣改造を予定しているが、支持率が回復するとは思えない。世論調査をみると、安倍首相の資質に疑問をもっている人が多いからだ。

もし内閣支持率がさらに低下し、30%を割り込むような事態となれば、自民党議員たちが選挙で落選するのではないかと強い不安感を持ち、自民党の内部から「安倍おろし」の風が一気に吹き出すのではないか。