ラーメン消費量(外食)日本一の山形県(平成26年総務省家計調査)。冷たい美味しさがクセになる「冷やしラーメン」や煮込んだ「とりもつ」が醤油スープと好相性の「新庄ラーメン」など、県内各地にご当地ラーメンが存在する、とにかく麺類には熱い県なのです。今回は自家製麺の比率が80%以上という、麺にこだわりを持つ「酒田のラーメン」から3店舗をピックアップしてご紹介します。麺づくりに情熱を傾ける店主たちの“こだわり”をめしあがれ!


▲「花鳥風月」の海老ワンタンメン780円(税込)

美味しいラーメンの追求に妥協はない!酒田のラーメン

山形県の日本海側に位置する港町、酒田。この街には1990年に発足したラーメンの味を追求し続ける「酒田のラーメンを考える会」があり、15店舗が加盟しています(2017年5月現在)。酒田のラーメンの特徴について会長の石垣洋平さんにうかがいました。


▲ご自身も「麺工房さらしな」を経営されている石垣会長

「酒田のラーメンの特徴は自家製麺率が8割超と日本一高いこと、昆布、煮干し等の魚介で出汁をとった透き通った醤油味のスープが特徴です」と石垣会長。


▲モチモチ感のある多加水麺にこだわる酒田のラーメン


▲昆布、煮干し、さば、かつお等の魚介出汁が基本

「酒田ラーメンではなく、あえて酒田“の”ラーメンと言っているのは、お店によってメニューが違うからです。自家製麺、魚介出汁をベースにそれぞれの店が独自の味を研究し、クオリティの高いラーメンを提供しています」と石垣会長。

今回ご紹介するラーメン店は3軒、メニューは「海老ワンタンメン」「しょうゆつけ麺」「しょうゆラーメン」の3種。お店によって個性の違うラーメンを味わえるのも酒田のラーメンならでは!ラーメン店のハシゴを楽しんじゃいましょう。


▲赤いのぼりのある店が「酒田のラーメンを考える会」加盟店です

ぷりっぷりの海老ワンタンメンで人気の「花鳥風月」

酒田のラーメンと言うとワンタンメンが有名です。その筆頭格である「満月」で修行した若手店主が発信する「花鳥風月」の海老ワンタンメンは、魚介系の出汁が効いた醤油味のスープと極薄の皮で包んだ海老入りワンタンのとろけるような食感が人気。

2017年4月にニューヨークで開催された【ニューヨーク ジャパン フェス ストリート ラーメン コンテスト】へ出店するなど、今、勢いに乗っているラーメン店です。


▲緑色の外観が目印の酒田本店を含め、山形北町店、鶴岡店の3店舗で食べることができます


▲オーナーの佐藤勇太さんが、酒田のラーメンを全国区にしたいという思いで店を開いたのは10年前、24歳のとき。海老を包む“薄皮”ワンタンは研究を重ねながら作り出した独自のもの

独自に粉を配合した、もちもちの手もみ熟成多加水麺

麺は製造してから2~3日間熟成させる、手もみ熟成多加水麺を使用。
「もちもちっとした食感に加え、しっかり熟成させたコシのある麺が特徴です」と佐藤さん。
数種類の粉を独自の配合でブレンドし、醤油ベースのスープに合う麺を開発しました。


▲中細のちぢれ麺。スープが麺によく絡みます

スープは醤油味。鯛の煮干しをベースに、カタクチイワシの焼干し、かつお節、さば節を入れて丁寧に出汁を取ります。魚臭くない上品な風味と飽きの来ない味わいに、ファンが多いのも頷けます。


▲スープは透明感のあるまろやかな醤油味

技巧を凝らした薄い皮が自慢の海老ワンタン

「花鳥風月」の技巧を凝らした薄皮の海老ワンタン。こちらの皮ももちろん自家製で、薄いのに破れない皮づくりには、熟成させて作る麺づくりのノウハウが詰まっています。

その日の湿度や気温によって粉の配合や厚みを加減し、製麵の何倍もの工程を手の感触だけを頼りに作っていくのです。


▲皮の厚さは均一で、向こう側が透けて見えるほどの薄さ!


▲毎日、ひとつひとつ丁寧に包みます


▲海老好きにはたまらない、このビジュアル!

ぷりっとした大きな海老と、口の中に入れると溶けてしまいそうな薄皮だからこそのとろんとした食感がたまりません。肉ワンタンとはひと味違った味わいは病みつきになりそう。


▲チャーシューは一枚一枚丁寧に炙ります

オーダーを受けてから炙るチャーシューも「花鳥風月」ならではのこだわりが。
醤油漬けにしておいた肩ロースとバラ肉を一枚ずつ切って炙っていきます。


▲炙った風味が口の中に広がります

昭和35(1960)年創業で“酒田のワンタンメン”の名を広めた人気店「満月」。そこで教えてもらった技を基本に独自の生地を開発し、海老ワンタンでさらに伝統を広げていこうと頑張る佐藤さん。それは酒田のラーメンの素晴らしさを広く知ってほしいという思いと、酒田の街が大好きという気持ちがあるからこそ。

口の中でとろんととろけるワンタンのヒミツは特製の極薄生地にありました。そして、海老ワンタン、チャーシューといった具の味を生かす醤油味のスープと、もちもちっとした中細のちぢれ麺。バランスよく旨みが絡み合う、何度も食べたくなるラーメンです。

店舗名

花鳥風月 酒田本店

山形県酒田市東町1-3-19
[営業時間]11:00~20:30(L.O.20:00 スープが無くなり次第終了)
[定休日]なし

0234-22-8005



一杯入魂のつけ麺「つけ麺道 癒庵」

関東にある中華料理店で修業し、その店のトップまで登りつめた店主が満を持して開業。料理人育ちの技術力が生かされた「つけ麺道 癒庵(ゆあん)」のつけ麺を求めて多くのファンが訪れます。


▲住宅地に佇む「癒庵」は2011年にオープン


▲しょうゆつけ麺780円(税込)


▲父親の病気を機に、故郷・酒田に戻り店を開いた三浦純一さん

「生き物の命をいただいているということを頭において仕事をしています。感謝の気持ちを持って丁寧につくれば、自然と美味しいものができてくると思うから」と話す、店主の三浦さん。