日本、米国、韓国の三か国が緊密に連携して、という表現が常套句のように使われ、それは確かにその通りなのですが、三か国の置かれた状況は全く異なるのですから、それぞれの脅威認識の相違を念頭に置いたうえでの協議でなければ、一致した対応が困難になりかねないことを危惧しています。

 米国まで届くICBMを保有し、体制の保障などの要求をのませるのが北朝鮮の狙いだと考えられますが、これは「この子の命が惜しければ言うことを聞け」という誘拐犯の手法と何ら変わらず、絶対に認められるものではありません。

 いつも申し上げることですが、拡大抑止もミサイル防衛システムも決して万能ではありません。これらに加えて国民保護や民間防衛のシステムを構築しなければならないのですが、我が国の人口あたりの核シェルターの普及率は、スイスの100%、ノルウェーの98%、アメリカの82%、イギリスの67%、シンガポールの54%などに比べて三桁少ない0・02%というのが現状です。この数字はNPO法人日本核シェルター協会の資料によるものですが、「やりっぱなしの行政・頼りっぱなしの民間・全然無関心の市民」という地方創生が失敗する際の原則は、安全保障でも当てはまるようにも思われます。

 憲法第9条の議論がにわかに活発になりつつありますが、「集団的自衛権行使の範囲」や「専守防衛の意義」が大きな論点になるはずです。集団的自衛権についてはすでに何度も言及しているので繰り返しませんが、専守防衛についてもこの際徹底した議論が必要です。
 専守防衛とは「相手から武力攻撃を受けた時にはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限度に限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう」(防衛白書)と説明され、私自身も何度か国会でそのように答弁してきましたが、これがあらゆる防衛戦略の中で最も難しいものであることがどこまで国民に理解されているのでしょうか。