知人は一言「韓国では疑惑解明にメディアが大きな役割を果たした」。最初に報じたのは小さなテレビ会社だったが、その後、大手を含むメディアがさまざまな角度から朴政権を検証し、粘り強く報じた。結果、国民が問題を十分理解するところとなり、政権の支持率低下やデモにつながったのではないか――という。

かたや日本はどうか。

各種世論調査では「森友問題の疑惑解明をすべき」との意見が大半を占める一方で、安倍政権の支持率は高止まりという「ずれ」が生じている。

安保法の時も同じだった。「経済政策がうまくいっているから」「野党がだらしない」と分析する向きもあるが、安倍政権下での世論のずれは、それだけでは説明できそうもない。

日本メディアの権力監視能力の弱体化を体現しているのではないか。そう思わずにはいられないのは、名護市辺野古の米軍基地建設問題でも再び移設賛成の世論が頭を持ち上げているからだ。地元紙として発信力の不足を痛感する。同時に「最高裁判決が結論」との安倍政権の主張だけを、何の検証もなしに報じ続ける在京大手メディアの姿が、賛成世論の増加と重なって見える。

(くろしま みなこ・『沖縄タイムス』記者。4月28日・5月5日号)