近年、収益性を高めつつも経営の透明性をもたせようというコーポレートガバナンスが注目を集めている。しかし東芝問題等に見られる通り、企業の不正が相次ぐ中、その役割を今一度考え直す必要が出てきた。この時代に、経営者に必要とされるガバナンスへの向き合い方とは何か。
(出典:文藝春秋オピニオン 2017年の論点100

「稼ぐ力」と持続的成長のためのコーポレートガバナンス

 近年、それまでは余り馴染(なじ)みのなかったコーポレートガバナンス(企業統治)がにわかに日本の企業経営で注目を浴びるようになった。火付け役となったのは、二〇一四年八月に公表された「伊藤レポート」、そして二〇一五年六月から上場会社に導入されたコーポレートガバナンス・コードである。