これが「百貨店」というものなのであれば、その対象は、日本百貨店協会に所属する店舗の外側に広がっている。ここで私が言及したい「外側」とは、ショッピングセンターのことである。

ショッピングセンターとは、小売店などを集積させるため計画的に開発・管理された商業施設の総称である。その形態は企業体によって様々だ。「イオンモール」や「ららぽーと」のように車でアクセスしやすい郊外に巨大モールを開発する企業体もあれば、「ルミネ」や「東京ソラマチ」のように大都市の中心商業地の施設を主力とする企業体もある。

百貨店は売り上げ志向、SCは賃料志向

百貨店とショッピングセンター(SC)を比較してみると、店内のショップやブランドの多くは重なっていることがわかる。しかし、並ぶのは同じ商品であっても、その「販売や経営のフォーマット」には違いがある。

GINZA SIXリテールマネジメントの水野和明社長は、両者のビジネスモデル上の「一番大きな違いは、出店者との契約形態」だという。百貨店は、「仕入れ方式」をベースとした業態である。店内の各ショップやブランドのスペースに並ぶ商品は、百貨店が仕入れたものであり、その売り上げと差額から利益を得る。百貨店の各期の収益は、売り上げによって大枠が決まるわけで、そのために百貨店は、店内により多くの商品を並べる方向に向かいがちである。一方で、入居するブランドの全国的な話題づくりにはつながっても店内での売り上げには直結しない施策などには、二の足を踏むことが多い。

対するショッピングセンターは、テナントからの賃料を収入源としている。そのため短期的には、店内の商品の売れ行きによってショッピングセンターの収益が大きく揺らぐことはない。もちろん中長期的には、テナントの売り上げが低迷すれば、賃料の引き下げに踏みきらざるを得ない。