この結果、デパートの売上げはどこも減少し始め、経営が行き詰まったり、支店を次々と閉鎖するところが増えている。地方では量販店と通信販売に押され、かつての街のランドマークだったデパートが消えてしまった都市も少なくない。

そんなデパート戦争の中でひときわ存在感を示していたのが東京・新宿の伊勢丹だった。若者向けの衣料品、ファッション製品を取り揃え一人気を吐いていたのだ。特に業界をあっと驚かせたのは2008年の伊勢丹と老舗中の老舗で、百貨店・デパートの代名詞ともなっていた三越との経営統合だった。世界最大の売上高を誇っていた新宿本店を持つ伊勢丹と富裕層の客を抱える老舗三越の経営統合は百貨店の新たな方向を示すものとして注目された。

■大西社長は一時寵児に・・・

特に12年に三越伊勢丹ホールディングス社長に就任した伊勢丹出身の大西洋社長は、自前の商品開発にこだわり、小型店の積極出店や中国人観光客の急増にも目をつけ、中国カード(銀聯カード)の利用をいち早く可能にしたり、旅行や飲食、婚礼など事業拡大にも積極的に取り組んできた。中でも利益率の高い独自商品を15%まで拡大するなどして売上高を伸ばし13年度は過去最高となる346億円の連結営業利益を上げた。この頃はデパート業界の代表といえば大西社長といった感さえあり、テレビや新聞、雑誌の寵児となったほどだ。

しかし中国爆買いブームが去ると三越・伊勢丹グループもその波に巻き込まれ、営業利益は高島屋グループやJ.フロントリテイリングより大きく落ち込み、その責任を取る形で今年3月末に突然大西社長が辞任した。

今年になって不採算店の閉店や売場面積の縮小、業態転換を図ってきたが、伊勢丹は千葉と東京の二店舗に対し、三越は千葉店、多摩センター店を閉店、松山店、広島店を縮小したり、業態転換を図る方針とされる。リストラは三越の不採算店が中心となり、三越側からの反発が強まってい