「女性自衛官の数を増やす」というニュースにからみ、以前こんなご質問を頂いていました。
が、肝心なご質問の文章がどこにあるか見当たらなくなり……頂いたご質問はすべて保存しているんですが、はて……どこ行った……。

ご質問をくださった方、大変申し訳ありません。
うろ覚えでお答えいたします。

以前、ある自衛官さんから「戦闘において、女性は邪魔な存在だ」というお話を聞きました。

戦闘では、さまざまなシーンがあります。
例えば、一緒に行動している仲間が撃たれてしまったとき。
このとき、撃たれた仲間を救護するのか、とりあえず仲間のことは置いといて戦闘を続けるのか……はその状況によります。
救護できる場合もありますし、それよりも戦闘を優先しなければもっと多くの被害が出てしまう場合もあります。

で、「とりあえず仲間のことは置いといて戦闘を続ける」をやらなきゃな場合。
撃たれてしまったのが男性の場合、一緒に行動をしている男性たちは「とりあえず仲間のことは置いといて戦闘を続ける」ができるそうです。
が、撃たれてしまったのが女性の場合、一緒に行動をしている男性たちは「とりあえず仲間のことは置いといて戦闘を続ける」ができず、本能的にその女性を救護してしまうそうです。
「とりあえず仲間のことは置いといて戦闘を続ける」がどれだけ大事かを頭では理解していても。

……で、「戦闘において、女性は邪魔な存在だ」というお話でした。

私は女性なので、このお話を聞いたとき、「そんなもんなのかー。男性は男性だったらほっとけるけど、女性は助けてしまうもんなのかー」とピンと来るような来ないような……でしたが、「子供」に置き換えるとなんとなく分かるような気もします。

なにか大きな災害が起きて、取るものも取り敢えず、周りのことをほっといてでも逃げなければならないような場合。
このとき、もし隣にいた人が動けなくなってしまったとしたら……。
動けなくなった人を助けたいけど、助けると自分の命も失ってしまう……というとき、動けなくなった人が同年代の女性で「私はいいから逃げろ!あなたも私も死ぬより、あなただけでも生きろ!」と言われたら、いろいろな葛藤を抱えながらも「自分だけ逃げる」という選択もできるかもしれません。
でも、動けなくなった人が子供だったら……見ず知らずの子でも、ほっとけないような……結果が分かってても助けようとしちゃうような……。
これも本能的なものなのでしょうか。

……と考えると、「戦闘において、女性は邪魔な存在だ」は納得できる気がします。

現在、自衛隊は「母性の保護」、「近接戦闘における戦闘(作戦)効率の維持」、「男女間のプライバシー確保」、「経済的効率性」の観点から、女性自衛官が就ける職に制限を設けています。

例えば、近接戦闘を担当する普通科部隊の「ナンバー中隊」と言われる部隊に女性はいません。
普通科部隊でも重迫撃砲中隊、本部管理中隊に女性はいますが、第1中隊、第2中隊……などのいわゆる「ナンバー中隊」に女性はいません。

普通科部隊にはレンジャーの隊員も多いのですが(レンジャーが必須の部隊もあります)、このレンジャーになるための訓練にも、女性が参加することはできません。
私がレンジャー課程訓練を取材した限りでは、「ひょっとしたらこれをやれる女性もごくごく少数いるのかもしれないけど……でも女性がこれやったらとりあえず生理は止まるだろうなぁ。将来の妊娠・出産にすげー影響しそうだなぁ」と思いました。
いや、私は医学の専門家でもなんでもないので、ただ「見ててそう感じた」というだけなんですが。
でもあれは完全に生理止まるよなぁ……と思います。

普通科部隊だけでなく、機甲科部隊(戦車、偵察)、施設科部隊、化学科部隊でも同様に、女性自衛官を制限している配置があります。

また、潜水艦にも女性の乗員はいません。
潜水艦は艦内のスペースに限りがあり、女性用のお風呂やトイレ、居住区を作るのが難しいからです。

一方、戦闘機パイロットは、これまで女性はいませんでしたが、この度女性にも門戸が開かれるようになりました。

陸上自衛隊で、看護職以外の一般職域に初めて女性が採用されたのは1967年。
その後、海上自衛隊、航空自衛隊でも採用が始まり、防衛医科大学校、防衛大学校にも女性が入学できるようになり、航空学生にもなれるようになり……と徐々に「女性もOK」が増えてきました。

ちなみに、予備自衛官に女性が採用され始めたのは1993年です。
結構最近ですね。
おかげで私も予備自衛官になることができました。

現在、自衛官のうち女性の割合は6%弱ですが、防衛省は2030年までに9%にするという目標を掲げているそうです。

……と前置きが長くなりましたが、ご質問の「自衛隊に女性は必要ですか?」。

「自衛隊の仕事で、これは女性じゃなきゃ無理だ」ってのはなにかあるかな~と考えてみたんですが、警備には必ず必要ですね。
有事の際は、国の中枢機関や防衛施設などの出入りが厳しくなるといわれています。
外国には、デパートやレストランに入る……なんてときにも入念なボディーチェックをされる地域がありますが、有事の際は、日本でもそういう光景を目にするようになるかもしれません(デパートやレストランでやるかどうかは分かりませんが)。

ボディーチェックを確実にしようとすると、女性相手には女性隊員しかできません。
日本にも外国人の方々の数が増えてきていますが、文化によっては「女性を男性が触る」なんて日本どころじゃないくらいタブーだったりします。
なんかあったら大問題に発展します。
「ボディーチェックを受ける人に、ご自身で体のあちこちを触ってもらって、それを見てチェックする」という方法もあり、これだと男性隊員でも可能ですが……これも文化によっては大NGだよなぁ。
日本人でも拒否反応を示す女性は結構いそうですが。

国の中枢機関や外国大使館などなど、いろんな場所に多くの女性が勤務している現状、やはり警備に女性隊員は必須かなーと思います。

さて、自衛隊の活動といえば、もひとつ災害派遣。
よく、被災地で自衛隊がお風呂を作ったりしますが、これも女湯の管理は女性隊員しかできませんよね。
アクシデントがまったくなければ、男性隊員がお風呂を準備して、女性被災者に入ってもらう……ことも可能でしょうが、女性が入浴中の女湯に隊員が入らなければならないようなこともあるでしょうし、そうなると男性隊員にはお手上げです。