2017年3月30日の、この報道(⇒東京新聞:てるみくらぶ 14年から粉飾決算 16年9月期は15億円赤字=東京新聞2017年3月30日朝刊))で、一気に、特別背任罪や詐欺罪などの犯罪の要素が強まった感があります。

 なんと破産申立書から、「てるみくらぶ」が、少なくとも2014年から粉飾決算を繰り返していたことが分かった、という報道です。

 実際には赤字だったのに、決算書上は黒字に見せかけ、さらに銀行や税務署など、提出先によって内容の異なる決算書を複数作成していたことも判明、関係者によると、融資を継続してもらうために銀行には黒字と説明していたとみられる、と報道されています。

 この報道が事実だとすると、「てるみくらぶ」の破産は、もはや民事事件のレベルを超え、犯罪の嫌疑があるというべきです。
 そして犯罪は、原則として、社長等、個人の行為に分解されることから、証拠散逸防止の観点からは、警察(ないし検察)は、会社だけでなく、早期に、会計担当者も含めて、会社や関係者宅の家宅捜索すべき事案ではないでしょうか。

 それにしても、3日前の2017年3月27日に、山田千賀子氏社長が、記者会見で言っていた「このような結果を招くことは全く考えていなかった」「自転車操業のつもりはなかった」との言葉(⇒渦中の「てるみくらぶ」が記者会見、約3000名が海外渡航中に破たん、経緯説明と旅行者に渡航中止を呼びかけ | トラベルボイス=2017年3月27日)と、今回の報道、その根拠となった破産申立書との齟齬に非常に驚いています。

[参考]・格安旅行「てるみくらぶ」破産で社長が会見(全文)

 破産申立ては、同日3月27日付けということですが、そもそも当日の破産申立書に記載のあった事実を、社長(もちろん破産申立て代理人も、破産管財人も)が知らないはずはありません。

 社長が、記者会見で、粉飾決算の事実を、まったく公表しなかったことは、債権者・被害者に対し、とても不誠実なことだと思いますし、また記者会見に出席した破産申立代理人や破産管財人も、破産申立書に記載されていた粉飾決算の事実を、この時、あえて公表しなかったというのは、弁護士倫理にも反するのではないでしょうか。

 粉飾決算があったということであれば、会社経営者の告発も検討しなければならない中立であるべき破産管財人は、当然、記者会見の同席は、控えるべき事案だったと思います。

 破産管財人が、この種の記者会見に同席することは、粉飾決算の公表隠しに加担し、破産申立て代理人と破産管財人が談合しているかのようにも見え、市民から見た中立性を担保することはできないでしょう。

 弁護士業界には、「破産村」があり、「破産族」(「会社破産」を専門に扱う弁護士)が、破産という利権(会社破産では、裁判所から選任される公務であるはずの「破産管財人」になるだけで、億(10億)単位の破産管財人報酬が受け取れる場合があり、業務量にもよりますが、市民感覚からは、とても異常に高額な報酬を受け取れます。)に巣くっているという、批判があります。

 そして破産申立代理人と破産管財人は、事件ごとに入れ替わる場合がよくあり、過去、破産部の経験がある裁判官が、破産族の法律事務所に「天下る」例さえあります。

 だからこそ、市民から見て、なれ合いに見える状況での記者会見は、公務である破産管財人は、避けるべきでしょう(破産管財人が、発言しないオブザーバーとして、会見に同席すること自体、意味不明です。)。