費用は最終的に約858億円にのぼったが、売買契約時に都は東京ガスに追加負担を求めず、同社の負担は約78億円にとどまった。残りは都が負担した。

 契約締結前に瑕疵担保責任の放棄は了解していたのかとの問いに、石原氏は「東日本大震災後なので混乱しており、報告を受けた記憶はない」と弁明。初めて知ったのは2016年10月に小池百合子知事サイドが送った質問状だったとした。土地の購入額約578億円も含めて契約は巨額で、記憶がないということは考えられないとの反論には「だから何なんだ。記憶にない。それで何をすべきだったのか」と声を荒げる一幕もあった。

 一方で、石原氏は豊洲への移転の決済を部下から求められた際、「土壌問題は解決できるかと報告者にたずねると『今の技術なら対応可能』ということだったので、移転を決済した」として、決裁者としての責任は認めるとした。

 小池知事に対しては「豊洲への移転延期を議会にはからず決めたのは議会軽視」などと批判。すみやかに移転すべきだと主張した。

傍聴者「1時間じゃ仕方がない」

 証人喚問は当初3時間程度で予定されていたが、石原氏の体調不良を理由に1時間に短縮された。会合が終わった瞬間、江東区からきた82歳の男性は「期待外れ。1時間じゃ仕方がない」と時間の短さに不満顔。

 傍聴券を得るために朝6時前から並んでいたという中野区在住の女性音楽家(54)は「ご高齢で体調が優れないのは分かるが納得いかない。真実を話していただけていないように思えた」。埼玉県川口市から来た男子大学生(21)は、議員の質問に物足りなさを感じたといい、「記憶がない、で済むような質問が多いと感じた」と述べていた。
 
(取材・文:具志堅浩二)