その街を、「銀座盆地」と古手の商店主たちは呼んでいる。

 摩天楼がそびえ立つ東京のど真ん中に、高層建築を容易に許さない街が、約1キロ平方メートルに渡ってぽっかりとお椀のようにへこんでいるのだ。

 それは、はるか上空から俯瞰した銀座の有り様だが、そう言われてみると、この街は暑熱が滞留するし、冬は底冷えがする。