国立大学教育学部付属小学校教諭 松尾英明=文

教師は、半強制的に部活顧問をやらされている!

ほぼ休みなし状態――。中学・高校生の土日祝日の「部活動」のことです。週末の部活は日本ではほぼ常識的な“風景”です。しかし、これは世界のスタンダードからすると間違いなく「異常」な状況に違いない。親として部活動をどう見るかをさまざまな立場の視点から一緒に考えていきましょう。

【1. 教師はイヤでも顧問を「やらざるを得ない」】

そもそも部活動については、学校によって、また顧問(教師)によって、取り組みに対する温度差が大きいです。顧問には「部活動いのち」の人もいれば、「部活だけがツラい」という対極の人もいます。立ち位置はさまざまとはいえ、部活動で成果を出せる人が最重要視されて重宝される地域が現実的には多いので、顧問を務めるのは半ば「当然」の業務となります。

学校の視点でみても同様で、部活動の位置付けは「最重要」から「生徒指導のためのいち手段」程度の認識まで、さまざまです。部活動で名を馳せている学校か、学力面の方で知られている学校か、によって部活動の取り組みの温度差は変化します。

部活の位置付けに温度差があること自体に善悪はなく、ある意味、自然なことでしょう。

ただ、あまり知られていませんが、顧問本人に部活動をどの頻度・力の入れ具合で担当するかという選択肢がないことが多いのです。

4領域に分けるマトリクス図にすると、次のいずれかの領域内に広く分布していることになります。

A「やりたいから存分にやっている」
B「やりたいが存分にやれていない」
C「やりたくないが仕方なくやっている」
D「やりたくないからやっていない」


教師(顧問)の部活動に対する気持ち

AとDはともかく、BとCは顧問の側に不満がある状態といえます。学校では、各種教員向けに時おり「多忙化解消アンケート」がされるのですが、その結果を見ると、特にC(やりたくないが仕方なくやっている)の割合が毎回相当程度いて、あまりいい状況とは言えません。

ちなみにこのC領域の教師は、部活動自体を否定しているのではなく、拘束時間の異常な長さなどに不満を持つ人を多く含む群ですが、たとえそうした不満があれど、残念ながら本人に「やる・やらない」の選択の余地はほとんどなく、決まり事です。

この現状をまず親御さんに知って欲しい。それがほとんどの現場の教員からのお願いであると私は感じています。

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【2. 子どもは自分で選択して「やりたい部活動」をやる】

部活動の存在意義は、言うまでもなく「子供のため」です。子供の健全な成長に寄与するものだから、教育活動に取り入れられているわけです。部活動は「長期的な視野で幸福になる」という前提。部活動は基本的に希望選択制なので、子供は「やらない」という選択もできます。

つまり、先の顧問の場合と領域(A~D)は同様ですが、分布の仕方が異なります。選択できる面が大きいため、顧問に比べC「やりたくないけどやる」が大きく減ります。これはD「やらない」に移るだけでなく、「やりたい部活動をやる」という選択ができるため、AやBが増えます。この「自分で選択できる」という点が顧問との大きな違いです。よって「たくさん練習をやりたい」の声は顧問よりも大幅に増える結果となります。

一方で、内心では「練習が多すぎる。他にもやることがあってきつい」という子供の声が上がるのも事実です(それなら辞めればいいのですが、実際は人間関係などが絡んで辞めるのが難しいことも少なくありません)。