フランス人はバカンスに対して本気だ、とか2週間の夏休みは当たり前とか言われる…もちろんこれは間違ってはいない。本当のこと。
バカンスは労働者の「権利」ということで、年間与えられた休みを取ることは当たり前
フランス人はバカンスに対して本気だ、とか2週間の夏休みは当たり前とか言われる…もちろんこれは間違ってはいない。本当のこと。
バカンスは労働者の「権利」ということで、年間与えられた休みを取ることは当たり前。子供の学校がお休みというだけではなく、働いている大人も取ることが当たり前。
しかしだからこそ、実はこのバカンスが不平等の要因にもなりうるという考え方があることはあまり知られていないのではないだろうか。
どういうことかというと。
バカンス=楽しいこと、ひたすら仕事から逃れて遊びまくる、というのがバカンスなのかというとそれは表面的な理解でしかない。
バカンスに行ける、つまり家を離れて旅行ができる、ということはその家庭の経済的な状況に大きく左右される、ということから始まる。
統計から見たバカンス
フランスでは実際にいろんな調査が行われている。例えば、不平等観測所(Observatoire des inégalités)によると、管理職(ホワイトカラー)に就く人たちの80%がバカンスへ行く(つまり家を離れて別の場所へ行く)のに対して、労働者(ブルーカラー)は50%にとどまっている。
2014年の統計によると、世帯の月収入が1,200ユーロ以下(日本円だとおよそおよそ15万円)の人たちのうち40%がバカンスへ出かけるのに対し、月収入が3,000ユーロ以上(およそ37万円)の人たちの86%がバカンスへ出かけている。(http://www.inegalites.fr/spip.php?article94)
バカンスへ行かない、と回答した人たちに理由を聞くと、一番多いのが「経済的な理由」(46%)。バカンスへ行くには、当然のことながらお金がかかる。
[ちなみに法律で定められている最低賃金で週35時間労働をすると月収は1,152ユーロ。そしてフランスの全国平均年収は26,061ユーロ(300万円)だ。]
実は深い、バカンス
ではそれは一部のお金がある人にだけ許される「贅沢品」でいいのかというとそうではない。
生活環境に関する研究、観測センター(CREDOC)によると、バカンスをとることで人は生活に対して前向きになることができるという。