卑近な言い方をすれば「※ただしイケメンに限る」、見た目の印象で仕事の成果も優れていると評価されることがあり、その逆もあるということです。心理的バイアスの種類には他にもたくさんありますが、とにかく人の認知は「罠だらけ」なのです。

思い込みの激しい決断型が「拙速な見立て」をする

それなのに、多くの人が「短時間で人なんてわかる」というようなことを言います。しかしそれは「わかる」の意味が誤っているのです。人は人と出会った時に、5分もあれば強迫的に何らかの印象を持ってしまいますが、それはあくまで心理的で主観的な「仮説」であり、客観的な「真実」ではありません。

この手の誤りをする人は「思い込みの激しい人」です。事業において大活躍している百戦錬磨の経営者や事業責任者などの偉い人たちの多くも「人は短時間でわかる」と言ったりします。彼らの中にはスーパーマンもいるので私ごときが意見するのは憚られるのですが、人間であれば世界中どこでも通用する心理学の理論は彼らにも通用すると思いますので、やはりどんな偉い人が言おうが、間違いは間違いです。

では、なぜそうなるか。彼らは日々十分ではない情報の中、素早い経営判断を求められているため、意思決定スタイルが少ない情報の中からスピーディーにビシッと一つに判断をする「決断型」であることが多いです。そうでなければ、その職責に応えられません。それを人に対しても適応してしまっているのではないでしょうか。

素早く判断を行うことが身につきすぎてしまって、じっくりと話せばしっかりと人を見抜くことができるような人でも、「今、この組織や職場はどういう状態にあるのか」「そこにいる人々はどんな状態にあるのか」ということには拙速な判断をしてしまうのです。

「自分の偏見」に対して自覚的であれ

このように、きちんとした「人を見る目」を持つためには、自分の中に生じる心理的バイアスの罠にどれだけはまらないようにできるかが重要です。心理的バイアス自体は消すことが難しいですし、そもそもその人の価値観や好き嫌いは消すべきでない、消す必要のないことでもあります。