歴代内閣の支持率の推移を見れば、国民は「トップをすげ代えろ」という声を上げ、内閣の寿命を決めてきたのです。

なぜ内田樹氏のを持ち出したかというと、はじめから持っている思想や価値観に現実をあてはめて解釈しようとすると説明がつかない、それでも自らの思想や価値観を疑わない、しがみつく誘惑に勝てないから、カルト的な結論に迷い込むといういい例だと思ったからです。

これまで体験したことのない新しい現実に向き合っている私達が、古い思想や価値観を無理やり当てはめて現実を見ようとすると無理がでてくるのが現代です。

安倍内閣の支持率が高い理由は、「他の内閣より良さそうだから」が39%でトップです。素直に解釈すれば、第一次安倍内閣も含めて、この何代かの内閣との比較で、また民進党が迷走した結果、信頼を失って選択肢に入らないこと、また与党のなかにも期待できる他のリーダーが思いつかないからでしょう。

考えなければならないのは、ついこの前まで民主党支持だった人も、安倍内閣を支持しているから、支持率が高いことです。安倍内閣を見ていると、保守というよりは、現実主義だという色彩を強く感じます。

実際には、保守も革新もとっくに破綻しています。そのいずれもが理想主義で、現実から課題を発見し、その解決をはかるというよりが、現実を自らの理想に近づけようという点が共通しています。

まずは革新が終わりました。革新がなければ保守も存在意義を失ったのです。現代は、過去の思想を当てはめて通用する時代ではありません。面白いのは右も左も体質が似ていることです。いわゆるサヨクも、ウヨクも論争で勝つことが好きです。知恵を競うのではなく、まるで子供のように知識で勝負するのです。もうそんな理想主義の枠組では現実の複雑な課題を克服できる時代ではありません。

今では、働く人たちのベアを求めているのは、労働組合だけではなく、保守右翼とレッテルを張られている安倍内閣です。