女子生徒に「不適切なメール」を送ったとして、東京都教育委員会から懲戒免職処分とされた都立高校の男性教諭(34歳)が、処分の取り消しなどを求めた裁判の控訴審で、東京高裁(綿引万里子裁判長)は3月24日、「処分は裁量権を逸脱し濫用している」として処分を取り消した一審の東京地裁判決を支持し、都側の控訴を棄却した(処分背景や経緯は本誌2015年1月30日号、6月19日号、10月30日号などで詳報)。
高裁判決は、複雑な家庭で精神的に逃げ場のない生活を送っていた女子生徒の求めに応じたメールだと認定。「『わいせつなメールの送信』とは異質とも言えるほど悪質なものであるとまでは言えない」とした上で、家庭環境に恵まれない生徒の窮状を見かねての支援目的だったことや、女子生徒が現在も男性教諭に感謝していることについて繰り返し触れるなど、一審判決の事実認定を大幅に変更した。
男性教諭は、クラス担任の女子生徒に性的表現を含む「不適切なメール」845通を送信したとして、2014年7月14日付で懲戒免職処分とされた。教諭は、複雑な家庭環境で親から虐待されていた女子生徒の相談に乗り、高校生活を支えて励ますためのメールだったと一貫して主張。
これに対し都教委は、女子生徒が親から虐待を受けていた事実を把握せず、女子生徒から話も聞かずに一方的に男性教諭の懲戒免職処分を決めた。しかも教諭が不利になるように、事実に反する校長陳述書を都教委人事部職員課の相賀直・管理主事が捏造し、校長から裁判所に提出させた。校長はその後、「都教委の指示で不本意ながら虚偽の陳述書に署名捺印した」として新たな陳述書を裁判所に提出したことが、審理の中で明らかにされている。
【女子生徒は教諭に感謝】
判決は、男性教諭が女子生徒に送信したメールを詳細に検討。

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