自民党が政権に戻ってから、安倍総理や閣僚が公の場で、民主党政権の行ったことに対して批判的なコメントをしている姿をしばしば目にする。そうしたコメントの中で、国益の観点からも明確に否定するべきは日米関係についてのものだと思っている。

安倍総理は、最初の訪米で、「日米同盟が完全に復活をした」と高らかに宣言した。この間、日米同盟が機能していなかったかのような言い方だが、これには非常に強い違和感を覚えた。同じ違和感は、オバマ政権内部の人も抱いたようだ。

政権を担った三年三ヵ月を振り返ると、確かに鳩山総理が普天間基地移設問題で、日米関係にある種の「揺らぎ」を生じさせてしまったことは事実である。しかし、その後の菅政権、野田政権下の日米関係は、歯車が噛み合っていた。

戦後、日米同盟が結ばれて以降、最初にして最もシビアな課題となった東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故に対する対応は、日米が最も力を合わせて取り組んだ事例だったのではないか。

日米同盟というと、これまでは、不安を抱く人もいた。

「もし日本が他国から攻められたら、アメリカは助けてくれるのだろうか」

他国の攻撃ではなく、「原発事故」という内なる敵ではあったが、大きな厄災に日本が見舞われ、窮地に陥ったとき、日米同盟の本質が露わになった。

それは、日本が自覚的に、主体的に敵に向かう姿勢を示さなければ、米国は決して協力はしてくれないということである。逆に言えば、わが国が困難に立ち向かえば、米国は全面的にサポートする頼りになる同盟国なのだ。